今や契約書もクラウド管理の時代!その特徴やメリットを解説
最近、「電子契約書」をよく見かけることはありませんか?現在の日本の普及率は約50%と言われており、主要な大手企業の多くが導入しています。
クラウド契約は莫大な契約書を取り扱う企業のためのものと考えがちですが、ただ1つの契約書であっても作成には日時と手間がかかりますし保管も必要です。中小企業や個人事業者向けのプランも多く提供されてます。
そろそろ、時代の流れに乗ったビジネスに切り替えることを検討してみてませんか。特徴やメリットなどの詳細をご紹介します。
クラウドの契約書とは?
「クラウド契約書」は「電子契約書」とも呼ばれています。従来の紙で作成されていた契約書を電子文書に置き換えたものです。
郵送での書類の往来なく、インターネット上のみで契約を締結させることが可能です。印鑑代わりの「電子署名」や「タイムスタンプ」で法的効力を持たせることができるのです。
契約書はクラウド上で保管、管理をするので、キャビネット等は必要ありません。
クラウドとは?
「クラウド」とはインターネット上のサーバーに接続して必要な時だけサービスを利用するという考え方です。従来では、コンピューターを利用する時、利用者はパソコンに内蔵されているHDDやSSDのデータやプログラムを利用しますが、クラウドサービスは、ネットワーク上にそれらが保存されています。
雲(クラウド)と例えられるように、サーバーの所在地を意識することなくサービスを利用することができます。有名なところだと「Gmail」や「Yahooメール」などもクラウドサービスの一種です。
紙の契約書ではダメなの?
現在でも紙の契約書が主流だという企業は多く存在します。しかしあえてデメリットをあげるとすれば、3点が考えられます。
・時間や手間がかかる
契約書の作成から印刷、捺印、郵送、返送などの一連の作業には、とにかく時間と手間がかかります。相手側と郵送でのやり取りとなれば日数も多くかかりますし、承認者が多い場合は、更に手間がかかります。
・保管場所が必要になる
契約期間内の契約書はもちろんですが、過去の書類も一定期間保管する必要があるので、「資料室」「キャビネット」などの保管場所が必要になります。量が多ければ多いほど、広いスペースを占領することになりますし、その中から契約書を探す作業も一苦労です。
・コストがかかる
紙の契約書を作成する際には、印刷代、郵送費、収入印紙などが必要になります。また、保管場所を別途契約する場合にはランニングコストもかかります。
クラウド契約書に必要なもの
クラウド契約を行う場合に必要になるものはPCとインターネット環境、そして「クラウド契約サービス」の利用のみです。
印鑑や収入印紙などは不要になるのです。
クラウド契約書のメリット
クラウド契約書に切り替えると、どのようなメリットがあるのでしょう。
従来の紙の契約書と比較しながらご紹介します。
契約締結のスピード化
クラウド契約はインターネット上での契約締結が可能になるので、従来のような印刷、承認、郵送などの手間がかからず、作業をスピード化することができます。
通常、郵送すれば日数が必要となりますが、クラウド契約であれば数時間で締結することも可能です。
コスト削減
契約書締結までにかかるコストとして、印刷代、郵送費、紙代、製本テープ代、保管料があげられます。契約が多ければ多いほど、必然とコストはかさみます。
クラウド契約は「紙」が要らないので、これらの費用はかかりません。また、収入印紙も不要です。保管はクラウド上でできるので、保管料も削減できます。
コンプライアンス強化
キャビネットで厳重に管理している契約書も、いつ誰が持ち出したかの管理までは難しいものです。紙の状態での管理体制強化には限度があると言えます。
その点、クラウド契約であれば「途中の経緯」が全て記録されるため、改ざんや紛失といったリスクを回避することができます。もし自分のPCに保存した電子契約書を誤って消してしまったとしても、元のデータはサーバー上に保存されているのですぐ復元でき、コンプライアンス強化にも繋がります。
検索性の向上
山のような契約書の中から探すという作業は大変です。もし担当者の管理がズサンだった場合には、それだけで1日の業務の大半を奪われてしまうこともあります。
クラウド契約であれば、PC上で検索をすればあっという間に見つけることが可能です。どれほど莫大な量であろうと、管理も検索も簡単に済ますことができます。
クラウド契約書を利用する際の注意点
効率的でメリットの多いクラウド契約書ですが、現段階でのデメリットも存在します。
メリットとデメリットの詳細を把握し、自社にとってベストな利用方法を考えてみましょう。
サービスの利用にはお金がかかる
クラウド契約のサービスにはお金がかかります。サービスは現時点でも数多く提供されているので、自社の規模や、契約以外の機能などを比較検討し選ぶことをおすすめします。
なかには「お試し期間無料」もありますし、契約数の少ない個人事業主向けのプランもあります。また、「月単位契約」のサービスも存在します。
一部、電子契約できない契約がある
ここ数年で電子契約が可能となった書類も多く存在しますが、下記のような内容は電子契約書での契約が認められていません。
・定期借地契約
・定期建物賃貸借契約
・投資信託契約の約款
・特定商品取引法で書面交付義務が定められているもの
導入に際して社内外の理解を得る必要がある
新しいスタイルを導入する時には「不安」がつきものです。それは社内に限らず、契約先においても同様のことが言えます。
契約先のなかには「電子契約」という新しいシステムに不安を覚え、拒否されることもあるでしょう。また、理解を得るための説明等に時間を取られてしまうことも考えられます。
サイバー攻撃のリスク
クラウド契約のサービスは、いずれも強靭なセキュリティでデータを保管していますが、「サイバー攻撃」から完全に逃れることは難しいと言えるでしょう。
万が一ハッキングされ、サーバーへ侵入されてしまうとデータの破壊や窃取、改ざんされるといった危険があります。
クラウド契約書におすすめのサービス
現在提供されているクラウド契約サービスは、いずれも高いセキュリティとさまざまな機能がついており、効率的な契約締結には欠かせないものばかりです。
その中でもおすすめのサービスをご紹介します。自社の条件と照らし合わせながら、ご検討ください。
クラウドサイン
クラウドサインは「弁護士ドットコム」が提供するサービスです。弁護士という契約の世界のエキスパートが管理するシステムですから、常に最新の法令に対応できるようにアップデートされています。シェア80%という数字は信頼の表れでもあります。
また、どんな規模の企業ニーズにも答えるプラン設定も人気です。大企業はもちろんのこと「ユーザー1名、書類送信5件までなら無料」という個人事業主向けまで幅広いサービスを提供しています。
ホームズクラウド
契約書を作成する際のテンプレートの多さと、書類のカスタマイズのしやすさに定評があるのがホームズクラウドです。
分野によって異なった専門の弁護士が作成した300種類以上のテンプレートを自由に使うことができます。社外との契約だけでなく、雇用契約など会社全体の契約書業務の効率化が可能です。
クラウドスタンプ
「契約締結」「セキュリティ」「情報管理」のサービスバランスがよく、初めて導入する場合に使いやすいと評判です。
「ライトプラン」と「ベーシックプラン」の2種類がありますが、ベーシックプランには電話サポートや契約書のひな形もついている上に、経営相談まで可能なのでおすすめです。サポート体制の手厚さも人気の理由です。
まとめ
電子契約書が世に出始めた時は、まだデメリットも多く若干頼りないイメージでしたが、現在提供されているサービスは何度もバージョンアップを繰り返し、利便性、セキュリティ面でも「紙」に大きな差をつけています。
また、電子契約書の普及は、世の中のビジネススタイルの変化に大きな影響を与えているとも言えるでしょう。
これから更に自社を大きく成長させたいと望むのであれば、真っ先に導入したいサービスではないでしょうか。