営業ナレッジ

営業の新入社員におすすめの本10選

この春から、晴れて営業の職に就かれたという人にぜひ知っておいて欲しいビジネス本をご紹介します。

営業とは、先輩社員からのOJT(On the job Training)で「見て学ぶ」ことや、とにかくやってみるという「突撃営業」が求められることもままあるビジネススタイルです。何も知らずにそういった場に身をおくのと、営業とはどういうものかという知識を持ち、求められるスキルを心に描きながら学ぶのとでは、得られるパフォーマンスに大きな差がつくでしょう。

「新人の心得」「営業職とは」「社会人力を上げるには」の3つのカテゴリーで10冊ご紹介するので、自分の足りていないところ、磨きたいところについて書かれている本を手にとってみてください。

新入社員・新社会人の心得を学べる本

お客さまの前では、新人といえども会社の代表として応対することになります。大学のマナー講習や新人研修で一通りのことを身につけてきているはずですが、いざ実社会で通用するのかと考えると不安になる人もいるでしょう。

また、仕事を進める上での考え方などは、失敗を何度も繰り返していくことで探っていくしかないと思われるかもしれません。これらの不安を解消してくれる、ヒントに満ちた3冊をご紹介します。

入社1年目の教科書
岩瀬 大

ライフネット生命保険(株)を立ち上げ今日まで成長させてきた著者が、新社会人に必須の行動指針を1冊にまとめていて、マナーや敬語といった社会人の基本から、仕事を楽しむための心構えまでが学べます。

「頼まれたことをやりきること」「1人の力で100点の完成形を目指すのではなく、50点のたたき台から指導してもらうこと」「予測を立てて動けば仕事は面白くなる」という3つの原則をわかりやすい例を上げて解説しています。これらを実践していけば、イキイキと働きながら、同期よりも抜きんでた存在となっていけることでしょう。

メモの魔力―The Magic of Memos
前田 裕二

仮想ライブ空間「SHOWROOM」の成功で注目されている著者による「メモ活用術」です。自他ともに認める「メモ魔」の前田氏が、いかにして大量のメモからアイデアや着想を得て、生産性を高めてきたかを、愛用の文房具とともに惜しみなく公開しています。

新入社員は「忘れずにメモしておくように」「ノートを1冊つくりなさい」と指導されることもあるでしょう。そのメモが宝の山となるか、単なる備忘録となるかはメモに対する姿勢次第だといえます。

Think Smart―間違った思い込みを避けて、賢く生き抜くための思考法
ドベリ,ロルフ

人には考え方のクセや「こうあるべき」という思い込みがあり、それがかえって正しい手順を阻害していることに気づかせてくれる本です。スイス航空関連会社で最高経営責任者を歴任し、認知心理学や社会心理学に精通した著者が、最新理論をビジネスシーンでやってしまいがちな行動に当てはめて、わかりやすく解説しています。

先輩社員の「経験」や「カン」に基づいた指導によって、右往左往させられている新入社員におすすめの1冊です。

営業職に特化した教科書

営業職とはどういうものか、さらに成功する営業マンに何か秘訣があるのなら、ぜひとも知っておきたいものですね。営業初心者の人にも読みやすく、すぐに実践できる4冊をご紹介します。

図解 新人の「質問型営業」
青木 毅

営業マンは「商品の魅力を説明した、お得なことも説明した。なぜ契約してもらえないのだろう」と営業トークを重ねるほどに悩みがつきないことでしょう。それは相手のニーズと合致していないからかもしれません。では、相手のニーズを探るにはどうしたらいいのか。その答えとなるのが、著者が1997年に開発した「質問型営業」です。

「質問型」のコミュニケーションは自治体や大手企業にも取り入れられ、高い評価を得ています。会話形式のビジネスシーンと理論を解説するページが見開きで構成されている本著は、どこからでも読み返せて、いつでも営業手法を振り返れるので、持ち歩きたくなる1冊です。

無敗営業 「3つの質問」と「4つの力」
高橋 浩一

「営業を科学する」をモットーに、3万人以上の営業マンを指導してきた著者が、そのノウハウを1冊にまとめています。

社会経験も営業経験もないメンバーでも、売上・利益ともに大きく向上させることができたという仕組みは、顧客の期待と営業手法のズレを解消していくことで作り上げられています。「質問力」「価値訴求力」「提案ロジック構築力」「提案行動力」の4つの力をわかりやすく解説しているので、自社の商材・サービスに当てはめて、すぐに実行することができます。

営業1年目の教科書
菊原 智明

住宅販売のセールスマンとして7年間悩み抜いた著者が発見した「売れる営業」になるための秘訣を73のルールとして解説しています。

ルールはすべて人としての基本姿勢につながるもので、「セールストークにも事前準備」「顧客の話を聞く」「社内を味方にする気遣い」が大切だとしています。イラストも豊富でわかりやすく、営業職に就いて1~3年目の初心者を対象に書かれている本書ですが、ベテラン社員にも基本に立ち返れる名著として人気です。

「稼げる営業マン」と「ダメ営業マン」の習慣
菊原 智明

前述の菊原氏の著書をもう1冊ご紹介します。

住宅販売のセールスマン時代にはクビ寸前の低成績だった著者が、ダメ営業マンだった自身の経験と稼げる営業マンの違いを分析したところ、そこにはほんの少しの習慣の差しかなかったとしています。同じくらいの能力を持つ人同士で比べても、小さな習慣を変えることによって結果が大きく変わるのです。

営業マンのみならず、働く人としての「基本の習慣」と「考え方」を確かめられます。

合わせて読みたい社会人力を上げる本

「営業マン」という職種を極めていく学びと同時に、ぜひ「社会人力」を上げる本にも触れて、自分をレベルアップしていきましょう。自立した生活にかかせない「お金の知識」や明るい未来を描くために知っておきたいデータ集など、3冊をご紹介します。

今さら聞けないお金の超基本―節約・貯蓄・投資の前に
坂本 綾子

キャッシュレス決済や電子マネー、仮想通貨まで、「お金」の在り方が多様化している現代において、「お金ってそもそも何?」という大枠を捉え、人生にかかる費用を知り、お金を増やす仕組みを知ることができます。貯金、保険、年金、税金など、聞き慣れているはずの言葉の本質を知らなかったことに気づくでしょう。

自分のライフスタイルを反映できるワークフローも掲載されているので、社会人となって自立した今こそ、お金との付き合い方を見直してみてください。

話すチカラ
齋藤 孝・安住 紳一郎

テレビでもおなじみの著者2名は、安住氏が明治大学在籍当時の教授と生徒という間柄でもあります。「声に出して読みたい日本語」がロングセラーとなっている齋藤氏と、日本語オタクを自認する安住氏が、「話すチカラ」をバージョンアップさせるための秘訣を語り尽くしています。

営業マンが顧客との人間関係を構築するには「雑談力」が必須だとも言われています。人の心を捉える話し方、相手に気分よく話してもらうための相づちなど、営業マンが習慣にしたい「話術の裏側」が読みやすくまとめられています。

2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望
落合 陽一

世界の経済動向や環境問題をグローバルに捉えるためのデータが満載されていて、これからの日本と世界の在り方を考えるのに役立つ本です。

世界のさまざまな課題がSDGsの枠組みに紐づけて紹介されています。SDGsとは、2015年の国連サミットで採択された「2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す」という国際目標のことです。これらの課題はテクノロジーの力だけで解決できるのでしょうか。

IT業界大手5社のGAFAM、中国経済、インド・アフリカのサードウェーブなどを地図に落とし込んで解説しているので、世界情勢を感覚的に捉える力がつくことでしょう。

まとめ

社会人として良いパフォーマンスを得るためにはインプットが大切です。ビジネス本で得た知識は、恐れずにどんどん実践してみましょう。使い慣れていくことで、それぞれのパーソナリティーに合った進化をし、自分の技術として身につけることができるでしょう。

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