営業DXのための最強ツール、SFAとは何か?その効果とは?
IT技術が人々の暮らしをより便利に豊かにしていくDX(デジタルトランスフォーメーション)が注目されています。消費者一人ひとりの利便性を追求するだけではなく、ビジネスを大きく変革させることも期待され、営業セクションも例外ではありません。
ITツールを活用し情報のオンライン化を進めれば、営業プロセスの効率化・最適化が実現できるでしょう。この稿では、営業システムの代表的なITツールである「SFA」を中心に解説します。
営業DXはSFAの導入から
営業のDXには2つの方向性が考えられます。
・顧客との接点のオンライン化
・顧客情報のデータ化と活用
顧客との接点のオンライン化には、公式サイトからのリード収集、SNSでの情報発信、商談のオンライン化などさまざまな方策が考えられます。
そして、接点のオンライン化を実現するには、顧客情報のデータベース化と、それを「いつでも・どこからでも・関係者なら誰でも」活用できる形にすることが大切です。
顧客情報データの活用を目的としたSFAについて、知っておきたいポイントを紹介します。
SFAの概要
SFAとは、Sales Force Automationの頭文字で、日本語では「営業支援システム」と呼ばれます。営業活動に必要な情報を一元化し、クラウドやオンプレミスで管理することで、営業セクションのメンバー全員が常に最新の情報にアクセスできるようになります。
SFAの機能
SFAの主な機能は
・営業プロセスの見える化と効率化
・成功例の分析と共有
・タスクの優先度提案と実行率検証
などで、いずれも従来の営業手法をアップデートするデータが得られるでしょう。
日報作成・送信
日報機能が搭載されているSFAを導入すれば、オンライン上で日報を作成し、保存と同時に提出が完了できます。書式を自由に設定できるツールも多いので、よく使う文を選択式にしたり、必要事項をラジオボタンに設定したりすることで、日報作成の手間を大幅に削減できるでしょう。
社内SNSなどのコミュニケーション機能
SFAにはデータベースとしてだけでなく、グループウェアとしてビジネスチャットやメーリングリスト、掲示板スタイルなどのコミュニケーション機能が搭載されています。社内SNSとしてこれらの機能を活用すれば報告・相談がしやすくなり、上長と部下という縦のラインだけでなく、メンバー間相互のアドバイスもしやすくなるでしょう
CRM機能顧客情報・コンタクト管理
SFAにはCRM(Customer Relationship Management=顧客情報管理システム)と連携がとりやすかったり、一体化していたりするものがあります。見込み客のステータスを詳細に設定したり、アクションのタイミングを表示させたり、コンタクト履歴を一覧で確認できたりと、営業活動の要となる情報が集約されます。
データ分析
SFAやCRMに集約された情報から必要なデータを抽出・分析すれば、組織としての営業力が見える化できます。営業戦略を策定したり、PDCAサイクルを効果的に回したりするのに不可欠なデータが得られるでしょう。
MAツール・Webサービス等との連携
MAとはMarketing Automationの略で、マーケティング業務の自動化を意味します。消費者と企業のファーストコンタクトがWeb経由ということも増えているため、問い合わせメール管理、ウェブサイトの滞在時間分析、リードのスコアリング、キャンペーン管理、レポート作成などの機能を備えたMAツールとの連携がかかせません。
SFAとMAツールやWebサービスとの連携が効果的になされれば、さらなるDXを推進できるでしょう。
SFAの代表的製品とは?
SFAの考え方自体は2000年代初頭からあり、現在はさまざまなサービスが提供されています。なかでも現場にフィットしやすいと評価が高く、DX化を大きく推進することが期待できる5つのITツールをご紹介します。
CRMをコアとする製品が主流・他のサービスとの連携も
SFAは営業システムの効率化、CRMは顧客情報の適切な管理が主目的となるツールです。SFAとCRMは相互の情報更新がかかせないため、現在ではCRMをコアとして営業アクションを随時追記できるというタイプが主流となっています。
MAツールや会計ソフト、販売管理システムなどとの連携もチェックしておきましょう。
Sales Cloud
カスタマイズのしやすさと、社内SNSの使い勝手のよさで評価の高いSFA・CRMプラットフォームです。売上予測や顧客管理、見積作成機能などで、営業活動の効率化をサポートします。
HubSpot SalesHub
GoogleカレンダーやOffice 365と連携させることで、商談の日程調整がオンライン化できるSFAツールです。メール機能も充実しており、自動送信や開封確認などが可能になります。
e-セールスマネージャー
メンバーが入力した情報が予実管理や商談管理、アラート機能やタイムラインなど必要な項目へマルチに反映されるので、入力の手間を大幅に削減できるCRM・SFAツールです。
Senses
情報を一覧できるダッシュボードが直感的に操作しやすいと評判のCRM・SFAツールです。精度の高いAIが類似案件をみつけ、リスク分析やアクションの提案をしてくれるので、マネジメント業務の効率化も図れます。
Kintone
Kintoneは100種類以上のアプリから必要な機能を組み合わせることができるので、あらゆる業界・業態にフィットするシステムが作れるとして選ばれているサービスです。
SFAの直接的効果とは?
SFAで情報を一元管理できれば、社内で散逸していた資料が情報資源として有効活用できるようになり、営業現場はもちろんマーケティング部門や製造部門、経営陣など、関連部署にもメリットが生まれます。
営業日報・コミュニケーション記録作成等の簡略化・自動化
営業マン各人の活動を把握するのにかかせないのが営業日報です。しかし、紙ベースやメールなどで上長に提出していたのではセクション全体での共有化が進まず、成功事例のパターン化やトラブル事案の対処法などが浸透するのに時間がかかるでしょう。SFAで日報を管理すれば有益な情報が即時共有できます。
同様に、社内連絡として電話やメール、書面など、複数のツールを利用すると、情報のタイムライン化が課題となります。「言った言わない問題」を回避するためにも、コミュニケーションには社内SNSを活用し、ファイル共有やログチェックなどで、記録の自動化を進めましょう。
業務情報の可視化と共有
SFAは業務の「見える化」を促進してくれるツールです。従来のマネジメントでは時間をかけてヒアリングする必要のあった案件のステータス管理やアクションチェック、予実管理や行動時間の確認などが容易になるでしょう。トラブル事案の共有により、リスク管理も適切に行えます。
データ分析から、課題抽出・アクションプランの作成が容易に
SFA・CRMツールで集約されたデータを分析すれば、課題の抽出や営業戦略の策定に役立てることができます。さらにAI機能が充実していれば、データ分析コンサルタントに依頼しなければ得られなかったような「気づき」が日常的に発生するでしょう。
効果を引き出すために注意すべきポイント
SFAの効果を最大化するには注意すべきポイントがあります。
・導入目的と期待できる効果を組織内で共有すること
・機能が多すぎることなく、必要なものに絞られていること
・導入後も定着率をアップさせるために適時フォローすること
以上3点に留意なされない場合には、「経営陣の方針が理解できない」「入力に時間がかかりすぎる」「活用できない・されない」といった残念な結果となるでしょう。
SFAでなぜ営業DXは進むのか?
SFAを導入すれば、本当に営業DXは進むのでしょうか。SFAの効果について確認しておきましょう。
効率改善で、本質的業務に集中できる
SFAを導入すれば、営業マンは報告業務や情報整理に時間をとられることがなくなり、コア業務に集中できるようになります。無理のない行動計画により、質の高い営業活動を行えるでしょう。
既存の営業マインドを変革できる
「モノが売れない時代」に「ネットで情報収集している消費者」を相手にするには、今までとは違う武器を磨くことが求められます。成功事例の共有とAIの支援で、営業セクション全体のアップデートがかなうでしょう。
付加価値創出につなげられる
業務の効率化で時間に余裕が生まれ、メンバー間のコミュニケーションが活発になれば、革新的なアイデアの交換や営業手法の洗練化が進み、付加価値の高いサービスを提供できるようになるでしょう。
まとめ:営業DX推進はSFAの導入から確実に進めよう
営業DX推進には「従来業務の効率化」と「新時代のビジネス手法の確立」の両輪が期待されます。SFAを導入すれば、業務効率の改善や情報資産の有効活用に大きく貢献することでしょう。数あるSFAツールのなかから必要な機能を備えたサービスを選択して、ビジネスデータの活用を進めてみてはいかがでしょうか。