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IT業界のサービスエンジニアとセールスエンジニア 違いを徹底比較

2000年代、IT業界の仕事といえばプログラマーやシステムエンジニアが主でしたが、IT技術の発展と普及により、さまざまな職種が生まれています。特に、お客さまにソフトウェアや製品を利用してもらう場面で活躍するのが「サービスエンジニア」と「セールスエンジニア」です。

共通点がありつつも領域の異なる2つの職種について、キャリアパスからスキルの違いまで比較して解説します。

メンテナンス中心の技術者vs営業もするエンジニア?

「サービスエンジニア」と「セールスエンジニア」にはどちらも技術者を意味する「エンジニア」という単語が含まれています。このことが両者を似通ったものとして感じさせますが、実際の担当領域はどうでしょうか。

サービスエンジニアの「サービス」は「アフターサービス」の意味合いが強く、商品が提供されたのち、スムーズな利用のためのメンテナンスやトラブルシューティングの場面で活躍します。

セールスエンジニアの「セールス」とは営業活動を指し、営業マンと協力してより良い提案をしたり、お客さまの要望を開発部門へ伝えたりする役割を担います。

仕事内容の違い

「サービスエンジニア」と「セールスエンジニア」はIT技術や製品構造について開発部門と同等の知識を持ちながら、それぞれの担当する業務に役立てています。仕事内容について詳しくみてみましょう。

サービスエンジニアは「ゴールキーパー」導入後に活躍の場

サービスエンジニアの主な業務は……
・機材の設置や配線・インストール
・製品の保守運用・メンテナンス
・製品の点検や部品の交換
・簡易的な修理・トラブルシューティング など

サービスエンジニアは納品・導入後を担当し、製品知識はもちろん、トラブルの原因や改善策などについてお客さまへわかりやすく説明するコミュニケーション能力が必要です。製品の不具合が長引けばお客さまの利益に直接ダメージを与えかねないので迅速な対応が必須ですが、その分感謝されることも多いやりがいのある仕事といえるでしょう。

セールスエンジニアは販売~導入まで顧客に責任を持つ

セールスエンジニアの主な業務は……
・営業同行・課題のヒアリング
・よりよい製品活用の提案
・専門的な見地からの質疑応答
・製品導入時の研修指導
・製品導入後の保守・点検と課題のヒアリング など

セールスエンジニアの業務は、営業セクションと密接な関係にあります。一般的な営業マンと商談に同行して、専門的な知識を基にヒアリングからプレゼンテーションまでをフォローし、実演デモや質疑応答を担当します。

仕様の詳細は納期や予算の制約内で詰めることになり、お客さまや営業セクション・開発部門などとの関係を良好に保ちながらプロジェクトを進める折衝力が重要です。

導入後も保守・点検などでお客さまと関わり続けますが、主な目的はクロスセル・アップセルにつなげるところにあるという点がサービスエンジニアと異なります。

両者とも技術力は必要 実際の線引きは会社ごとに異なる

サービスエンジニアはお客さまに提供した製品の運用のために、セールスエンジニアはお客さまと自社がウィンウィンの関係となるために技術力・IT知識が必要の職種です。

また、サービスエンジニアがお客さまからの疑問に応えたり、セールスエンジニアがアフターサービスを担ったりと、会社によって業務の線引きはさまざまで、一般的な定義と異なることがあります。先輩社員からの指導やお客さまからの要望に、柔軟な対応をすることが大切です。

サービスエンジニアとセールスエンジニア キャリアパスの違い

IT技術に興味があり、就職につなげようと考えてサービスエンジニアまたはセールスエンジニアのなり方を知りたいという方もいるでしょう。キャリアパスの違いについておさえておきましょう。

新卒でも求人数が多いサービスエンジニア

サービスエンジニアの求人には「IT業界未経験・エンジニア経験なしでもOK」というものが多くみられます。運用・保守・ヘルプデスクといった関連部署からスタートし、研修やOJTで知識を蓄えていくことになるでしょう。新卒でも生え抜きのエンジニアとしてステップアップしていくことを期待して、しっかりとした研修制度を備えている企業が多いようです。

新卒は求人数が少ないセールスエンジニア

セールスエンジニアは「営業スキル」と「技術力」が融合した職種のため、採用試験の際にどちらかの経験がない場合には厳しい目で見られることがあります。セールスエンジニアを目指すなら、まずはエンジニアとして就職しIT技術を本格的に学ぶことが近道になるでしょう。

少数ながら新卒採用の例もあり、その場合は営業セクションで対人スキルを学びながら、研修や自主学習などで必要な知識を得ていくという流れが多いようです。

キャリアのゴール 現場にとどまるか、それとも管理職か

サービスエンジニアはお客さま企業を巡回することが多く、若手の仕事としてみられがちです。ステップアップするなら「現場でベテランサービスエンジニアとして信頼を得ていく」「若手サービスマンを束ねるマネージャとなる」「知識を蓄えエンジニア専業に転身する」といった方向性が考えられます。

セールスエンジニアの経験者は「大型案件を取りまとめるベテランセールスエンジニアになる」「プロジェクトリーダー・マネージャになる」「セールスエンジニアの人材育成に携わる」「営業職・技術職いずれかのプロフェッショナルを目指す」「ITコンサルタントとして独立」など活躍の場は多彩です。

自身のスキルと適性を分析してキャリアパスを設定していきましょう。

必要な技術・スキルの違いは?

IT技術・製品知識が不可欠な両者ですが、必要となるスキルに違いはあるのでしょうか。業務内容からその違いを読み解きます。

セールスエンジニアは技術力に加えて、プレゼン力も重視される

セールスエンジニアは商談の場でお客さまへ直接、ソフトウェアの利便性や製品の魅力を伝える役割を担います。専門知識が不可欠ですが、だからといって専門用語を多用して説明しては、お客さまに納得してもらうことは難しいでしょう。

どのような技術が使われているか、導入することで期待できるメリットは何かなどを平易な言葉で伝えるには、本当の意味での製品理解とプレゼン力が重要になります。

周辺機器の知識やソフトウェア同士の連携についても詳しくなっておけば、お客さまの課題を解決するためのアイデアを豊富に提案できることでしょう。

サービスエンジニアはIT技術のエントリーレベルから従事可能

サービスエンジニアは導入後の保守・運用を担うので、端的にいえば扱う製品1つに詳しくなっていれば、その製品を利用しているお客さまへの対応は問題なくできるということになります。サービス管理者のもと、業務をオペレーターに振り分けられるというシステムなら、エントリーレベルの技術力でも従事することが可能です。

管理職・リーダーレベルでは高度な専門性がどちらも必要

いちサービスマンであれば、自社製品にだけ詳しくいれば業務上は問題ありませんが、管理職・リーダーともなれば保守・運用業務の管理や計画、トラブル対応など高度な知識が必要となります。

セールスエンジニアも同様に、提案内容への技術的な裏付けを担保するために最新知識を理解・吸収しておくことがかかせません。いずれも「学び続ける姿勢」が大切だといえるでしょう。

サービスエンジニアとセールスエンジニア スキルアップで市場価値を高めよう

サービスエンジニアとセールスエンジニアに共通するマインドには「お客さまの役に立つことがやりがいとなる」という点があります。

サービスエンジニアがお客さまの業務がスムーズに進められるよう保守・運用をすれば、セールスエンジニアはお客さまの利益が拡大するよう新たな技術を提案していくのです。どちらも幅広い業務を安定して担えるようになるには、学び続けることが大切な職種です。

IT技術に関心がある、人と関わることが好き、行動力に自信がある、という人は「サービスエンジニア」「セールスエンジニア」としてスキルアップを重ね、自身の市場価値を高めていきましょう。

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