【最終更新日:2021年3月3日】
セールスには、インバウンドセールスとアウトバウンドセールスがあります。
インバウンドセールスとは、強引な営業で売りつけるのではなく、相手の視点に立ち顕在顧客をより自社製品に引きつけることで、最終的に自社製品やサービスを購入してもらう営業方法です。
一方、アウトバウンドセールスとは企業から顧客に働きかけるセールス手法で、この場合、顧客は自社製品やサービスに興味を持っていない場合があります。
以下では、前者のインバウンドセールス手法を取り入れ、効果をあげた事例をご紹介していきます。効果をあげるには「内製化」がキーワードになってきます。
目次
インバウンドセールスを内製化し、成果を上げる4つのポイント
内製化とは、外部に委託していた業務を自社内に取り入れることを意味します。
それでは以下でキーワードになる「内製化」を意識して、事例を見ていきましょう。
アウトバウンドコールの内製化を検討する
ひとつの事例は、今までは外注していたアウトバウンドコールを内製化するということです。
外注には、コストがかかるデメリットや、営業マンの知識不足の場合のデメリットが考えられます。
そのため、アウトバウンドセールスを内製化することで、コスト削減・自社社員のナレッジ蓄積が可能になります。
リサーチとプロセス設計を内製化する
インバウンドセールスを成功させた企業は、インサイドセールスとフィールドセールスのリサーチと営業プロセス設計をしっかり行っています。
例えば、「インサイドセールスでは自社製品やサービスにあまり関心のない潜在顧客に対してヒヤリングをし、フィールドセールスでは自社製品やサービスに関心のある顕在顧客に対してクロージングをする」というリサーチや営業プロセス設計を行っています。
顧客が、潜在顧客なのか顕在顧客なのかのリサーチ、インサイドセールスではヒヤリングで終わりにするのかクロージングまで持っていくのかの設計などを内製化することでインバウンドセールスの対象を定めることができます。
社外のコンサルタントを招聘(しょうへい)して内製化体制を設計する
インサイドセールスコンサルタントに依頼をし、商談体制を内製化しましょう。
商談相手には、担当者とキーパーソンの2つに分類できます。
キーパーソンは商談を決済する役割を担うので、担当者へアプローチするよりもキーパーソンへアプローチした方が成約率を上げやすくなります。
そのため、コンサティングをしてもらう際は、①「キーパーソン属性の定義」を明確にし、②キーパーソンが検討している課題のヒヤリングの仕方や、想定課題を解決出来る自社商品・サービスの購買メリットを整理し、リード醸成のプロセスを明確にしてもらいましょう。
架電のロールプレイングと録音・録画によるフィードバックを実施する
インバウンドセールスに慣れるために、架電のロールプレイングを行い、録音や録画を使用してフィールドバックをすることで、社員の商談力を向上させる方法があります。
ヒヤリング力、質問力、説明力、共感力、論理的思考力など様々な視点で、フィールドバックを行うことにより、実際の商談時に落ち着いて商談を進めていけることが期待されます。
内製化?外注?比較する際の3つのポイント
それでは、内製化と外注を検討する際に考えるべき3つのポイント「コスト」「効率か効果」「ノウハウ」をご紹介します。
費用対効果
外注をするともちろん外注コストがかかります。
しかし、外注コストがかかることを良くないとするのではなく、費用対効果を計算した上で、外注をするかそれとも内製化にするかを考える必要があります。
例えば、時給1万円で働く自社社員に20時間かけて仕事をしてもらい20万円の費用をかけるよりも、その仕事を外注費10万円で外注した方が良いでしょう。
効率か?効果か?
外注は一見、仕事の効率化ができそうですが「相談→見積もり→発注」をする必要があるため、作業開始が遅くなり効率が悪い場合があります。
しかし、専門性の高い方に外注をすることで効率的にはよくなくても結果的には良い効果が出ることもあるでしょう。
そのため、内製化と外注を検討する際には効率と効果についてよく考える必要があります。
ノウハウは社内に蓄積される必要があるか?
ノウハウには、専門性の高いものと、社内で継承されるべきものの2種類があります。
専門性の高いノウハウとは、例えば、SEOの知識やWebデザインなどの知識です。
事業によっては、これらのノウハウを継続して蓄えたいわけではなく、自社のサイトを作りたいなどという一時的な作業になるため、外注に頼るほうが効果的でしょう。
一方、社内で継承されるべきノウハウとは、例えば、事業運営に必要なターゲット理解のノウハウや、効果的なアプローチの仕方やコミュニケーション方法のノウハウが挙げられます。
このように、これからの事業運営をするために社員がもちあわせた方が良いものは内製化をするようにしましょう。
内製化のメリットとデメリット
以下では、内製化をする際の、メリットとデメリットをご紹介します。
内製化を取り入れる前に、メリットとデメリットを知ることで、取り入れた後に思いがけないところで困らないようにしておくことも大切です。
内製化のメリット
① 営業部門との連携が取りやすく、マーケティングから営業まで全体の流れを把握しやすくなる
(全体の流れを把握することで問題点や課題を発見しやすく、改善しやすくなります)
② 商品やサービスについての理解度が高いため、見込み客に対してより深いアプローチが可能になる
(外注に比べ、より内容が濃い商談が可能になるでしょう。商品のメリットなどを良く深く説明できると、顧客の関心もグンっと高められることが期待できます。)
③ 管理者と実行者が同じオフィスにいるため、PDCAをスピーディに行える
(PDCAを迅速に行えるため、毎回の商談をより良いものにしていけるでしょう。)
内製化のデメリット
① 人材採用、人材育成に時間がかかる
(内製化の効果を高めるには、内製化後の仕事で力を発揮出来そうな人を採用し、育成にも時間をかけていく必要があります。)
② 設備投資が必要になる
(内製化をする際は、効率化を目指して、管理ツールなどの設備投資をする必要があります。)
③ ノウハウの習得や蓄積に時間がかかる
(内製化をするためには、社員のノウハウ習得や蓄積をすることが欠かせません。外注しないため、自社内での努力が大切になってきます。)
まとめ
本記事では、社内でインサイドセールスを実施し効果をあげるための
① 実例に基づくインサイドセールスの成果をあげる4つポイント紹介
② 内製化か外注を選ぶ際に考慮すべき3つのポイント
③ 内製化をする際のメリットとデメリット
をご紹介してきました。
インバウンドセールスを成功させるためには、やはり「内製化」がキーワードになることをお分かり頂けたかと思います。
外注にもメリットは沢山ありますが、ほとんどの作業を外注しているという企業は、内製化のメリットを踏まえた上でもう一度、内製化するべきなのか、外注を継続するべきなのかを考える必要があるでしょう。
まとめとして、インバウンドセールスの効果を高めるために、成功事例から学び、内製化のメリットを理解し取り入れていくことが大切です。
効果的な方法を模索し、自社にあった方法を選択しましょう。