【最終更新日:2021年3月21日】
アポイントの獲得や見込み客の育成で活躍するインサイドセールス。
「内勤営業」ともいわれ、電話やメール、デジタルツールなどを活用してお客様にアプローチする営業手法のことをいいます。
テレワークの普及からインサイドセールスもどんどん広がりを見せている今、メリットや活用シーンなど「インサイドセールスの基本」を学びましょう。
インサイドセールスとは何か
まずは、インサイドセールスの歴史を紐解き、外勤営業のフィールドセールスとはどのように異なるのか解説します。
インサイドセールスの歴史
インサイドセールスはもともとアメリカで始まったといわれています。
1950年代に始まったBtoCビジネスでのテレマーケティングを用いた営業手法が、1980年代になるとBtoBの高単価商材にも普及したそうです。
アメリカ特有の「国土が広くて訪問営業が難しい」という課題にマッチしたことで急速に広がりました。
インサイドセールスとは
インサイドセールスとは、inside=内側・内部という意味から「内勤営業」のことをいいます。
電話やメール、テレビ電話や資料送付など、オフライン/オンライン問わずにさまざまなチャネルを活用して見込み客とコミュニケーションを取る営業スタイルです。
フィールドセールス(訪問営業)との違い
インサイドセールスとフィールドセールスの大きな違いは、内勤か外勤かというポイントです。
インサイドセールスは見込み客や顧客と直接会わずに営業活動を行いますが、フィールドセールスは直接訪問して対面で商談を行います。
企業によってインサイドセールスの取り入れ方は異なりますが、アポイントを獲得してフィールドセールスへ引き継ぐ分業型や、インサイドセールスが受注まで担当するクロージング型、そして既存顧客へのアプローチをするアップセル型が主流です。
インサイドセールス導入のメリット
インサイドセールスは内勤型の営業のため、特有のメリットが多数あります。
人手不足対策
少子高齢化により労働力が減っている日本では、営業ひとりあたりのノルマや負担が更に大きくなってくると予想されています。
そこでインサイドセールスを活用することにより、確度の高い商談のみに注力して営業活動を行っていくことで、少ない人員リソースでも生産性の高い営業の仕組みができるのです。
営業活動の効率化
インサイドセールスがフィールドセールスへ確度の高い見込み客を引き継ぐことで、訪問したら確実に受注を取ることができるという仕組みを作り、「せっかく訪問したのに受注できなかった」ということを防ぎます。
また、インサイドセールスは営業担当者がオフィスなどにいながら遠隔地にいる見込み客へアプローチすることができるため、移動時間やコストを抑えることもできます。
見込み客の対応件数が増える
従来は、営業担当者が一人でアポイントからクロージングまでを担当していたため、一日に対応できる見込み客の数には限界がありました。
しかし、インサイドセールス専門の人材がいれば一日のうちに何件もアプローチすることができます。
大量の見込み客に対して次々とアプローチしていき、優先度を見極めて次のアクションを起こすことができるため、効率よく対応件数を増やしていくことができるのです。
訪問営業と比べて教育の手間が省ける
訪問営業の場合、商談に同行できる回数が多くても1日3~4件ほどでしょう。
ある程度の営業レベルまで成長しなければ対面での商談は難しいため、1日のみ同行しただけでは不十分なので、他にも何日かは商談同行の必要があります。
しかし、インサイドセールスの場合はオフィスなどで先輩の隣にいるだけで営業現場に同席できるため、一日のうちに多くの商談に同席することができます。
また先輩営業がすぐにサポートできる環境のため、デモンストレーションや実践練習もしやすく、多くの場数をこなして営業スキルを上げていくことも可能です。
見込み客の育成ができる
獲得段階では熱量が高くない見込み客でも、育成(ナーチャリング)によって確度を高くしていくことができます。
インサイドセールスは見込み客にとって有益な情報を発信したり、見込み客に対してヒアリングなどを行ったりすることで育成していき、確度の高い商談を創出してフィールドセールスへ引き継ぐことができるのです。
インサイドセールスはこんな時に使える
次は、インサイドセールスの活用シーンについてご紹介します。
成約確率の高い見込み客を増やしたい
マーケティングでは大量の見込み客が創出できますが、その中で確度の高い見込み客はほんの一握りでしょう。
しかし、見込み客を獲得した時点では確度が高いか低いかは判断することが難しく、せっかく訪問しても相手にしてもらえなかったということもあります。
一方、インサイドセールスでは見込み客を獲得した背景やデータなどから確度を見極めて、優先的に対応すべき案件を判断することができます。
また、そのようなデータを取り続けることで「このような状況で獲得したリードは成約確率が高い」という勝ちパターンも見えてくるため、成約確率が高い見込み客を増やすための施策を次々に立案していくこともできるでしょう。
マンパワーを最小限に抑えて営業したい
獲得した見込み客すべてを訪問するとなると、膨大な営業人材が必要となってしまいます。
そのため、最小限のマンパワーでも受注を取っていくためには、成約の確度の見極めが重要になってきます。
インサイドセールスは電話やメールなどで直接見込み客と話したり、WEBページの閲覧履歴や資料請求の履歴を確認したりすることで、見込み客の熱量から優先的に訪問する見込み客を見極めることができます。
そのため、少ないマンパワーでも成果につなげることができるのです。
見込み客をフォローしてしっかりと育成したい
せっかく獲得した見込み客は、確度の高い/低いに関わらずしっかりとフォローしていきたいですよね。
インサイドセールスは見込み客の育成が得意分野なので、確度の低い見込み客をそのままに放置せず、資料送付やメール配信、電話やメールなどによりヒアリングなどでコミュニケーションを取り続けて、確度の高い見込み客へと育成していくことが可能です。
インサイドセールス導入のポイント
インサイドセールスの導入を検討したとき、どのようなポイントに注意すればいいのでしょうか。
マーケティングオートメーションツールを活用する
ポイントの一つ目は、見込み客の獲得・育成を効率的にしてくれるマーケティングオートメーションツール(MAツール)を活用することです。
MAツールには、主に下記のような機能が搭載されています。
・メール一斉配信
・パーソナライズしたメール配信
・見込み客のWEBページなどの閲覧履歴の確認
・スコアリング
・シナリオによる確度の判別
これらの業務を自動化・効率化してくれるため、より少ないリソースでも営業組織を回していくことができるようになるのです。
営業フローを仕組化する
インサイドセールスとフィールドセールスを分業化する場合は特に、営業フローの仕組化がポイントになります。
どこからどこまでの営業活動をインサイドセールスが担当し、どこからどこまではフィールドセールスが担当するかを決めておかなければ、現場に混乱を招きかねません。
また営業フローを仕組化する際には「どんな条件になったら引き継ぐのか」「どのような方法で引き継ぐのか」までしっかりと決めておきましょう。
定期的なフィードバックを実施する
定期的な振り返りをすることで、改善点を見つけてよりブラッシュアップしていくことができます。
一ヵ月ごとだけでなく、半期ごとや一年ごとなど中長期的に見ることも大事です。
KPIなどの数値だけで判断するのではなく、実際の担当者同士で意見を出し合ったりしながらフィードバックしていきましょう。
まとめ
少ない人員リソースで大きな成果につなげることができるインサイドセールス。
営業活動の効率化や営業組織の省エネ化などインサイドセールス特有のメリットを活かして、自社の営業現場で活用していきましょう。