【最終更新日:2022年1月3日】
By 増山 順一(Online Sales Lab.代表)
あなたの会社にはフロントエンドはありますか?
フロントエンドとはマーケティング用語で、要は客寄せ商品のことです。
例えばスーパーの特売品。
卵1パック30円!やコーラの500mlボトルが50円!みたいな完全原価割れの商品は、もちろんそれ単品で商売したいわけではなく「来店してもらう」ための商品で、来店してもらったついでに色々と他の商品を買い物かごに入れてもらう為の戦略です。
これと同じ発想で、私が学生時代にアルバイトをしていたちゃんこ鍋屋では、夏になると「瓶ビール1本50円!」と大々的に宣伝してお客を集めていました。
見込み客を集めるには、とにもかくにもこのフロントエンド(客寄せ商品)の開発が欠かせません。
とくにあなたの販売している商品・サービスが高額であるならば、まずは試してもらうことが一番効果的ですから、ぜひ見込み客が飛びつくような魅力的なフロントエンドを開発してください。
あれもこれも全部フロントエンド
ここからはあの大手企業も展開している、私たちにとって身近なフロントエンドを紹介していきます。
無料・値引き系
初月(初回)無料
これはApple MusicやHulu、YouTube Premium、スポーツジムや習い事教室などのサブスクリプション(月額課金)サービスで使われています。まずは無料で使ってもらって良さを体感してもらい、そのまま使い続けてもらう戦略です。
初回半額(〇〇%OFF)
これは美容院やエステ、ネイルサロン等の店舗ビジネスでよく使われています。ホットペッパービューティーのような予約サイトは「ご新規様限定〇〇%OFF」といった文言で溢れていますが、これらは全てフロントエンドです。健康食品や化粧品の通販ではこのサービスがもはや当たり前になっています。
最初の1杯ドリンク無料(おつまみ1品無料)
これも飲食店でよく見かけるフロントエンドです。ぐるなびなんかでは「宴会幹事様1名分無料」のようなサービスも多いですね。
機能の切り売り系
これは前述の無料サービスとセットで使われることが多いのですが、例えば最近爆発的に利用者が増えているZoom。
基本的には無料で使えますが、例えばグループでの40分以上の連続通話やグループに招待できる人数の条件等、ある一定以上の機能を使うには有料プランに更新する必要があります。
このような機能の切り売り系フロントエンドはwebサービスに多く、例えばクラウドのDropboxやEvernote、Google Driveもそうですね。
機能の一部を無料、もしくは格安の値段で提供して、まずは一度使ってもらうことを目的としています。
情報提供系
これはこのOnline Sales Lab.でも使っている戦略で、オンラインセールスで売上をアップさせる為のノウハウをまとめた小冊子を無料で提供しています。
小冊子を受け取る為には氏名やメールアドレス等の個人情報の提供が必須となっており、私たちはこれで見込み客リストを作っています。
このフロントエンドはコンサルティング系のビジネスに有効ですが、今の時代ではほぼ全ての業種で使える戦略です。
例えばリフォーム会社が「失敗しないリフォームの正しい知識」といった無料小冊子を配っていたり、戸建てメーカーが「はじめての戸建て購入ガイドブック」なんて小冊子を配っていたりします。
とにかくハードルを下げる
商品・サービスの販売価格が高ければ高いほど購入のハードルがあがりますから、見込み客にとってなるべくリスクのない形でまずは試してもらうことができたら、どれだけ成約率が上がるでしょうか。
たくさんの経営者から聞くセリフ。
「ウチの商品は一度使ってもらえれば絶対に良さを分かってもらえる!」
うん、だったらまずは一回使ってもらいましょう(笑)。
そんなに自信があるなら、タダで使ってみてもらいましょう。
「いい商品を開発すれば必ず売れる!」
うん、そうですね。
クチコミを集める為にも、まずはある一定数を利益なし、もしくは赤字で売りましょう。
その分のマイナスは広告費として考えましょう。
日本には「損して得取れ」という素晴らしいことわざがあります(笑)。
ぜひあなたも「見込み客を集める」ことを目的とした商品を開発してみてください。