【最終更新日:2021年1月18日】
営業といえば一般的にイメージされるには「フィールドセールス」と呼ばれる、いわゆる外回り営業ではないでしょうか。しかし近年では、この営業スタイルだけでなく「インサイドセールス」と呼ばれる内勤型営業が増加しています。
直接顧客を訪問することなく電話やWebでやり取りをするインサイドセールスは、フィールドセールスと連携する事で大きな成果を上げることができるうえに、効率的に業務ができると注目されています。
外注せずにインサイドセールスを自社へ導入する場合、どのようなポイントに気を付けると効果を上げることができるのでしょうか。導入事例からご紹介します。
インサイドセールスのノウハウを自社で作り上げるために必要な4つのポイント
インサイドセールス部門を立ち上げる際に「外注」ではなく「内製化」を選択した場合、確実に成果を上げるポイントがいくつかあります。
国内ではまだインサイドセールスのノウハウが少ないと言われている状況ですから、内製化をする場合どのように運営していくのかが大きな鍵となってくるでしょう。これからご紹介する4つのポイントに注目してみましょう。
1.各部門の連携方法や役割分担を把握する
まずは導入に向けてのリサーチを徹底して行いましょう。そのうえで、それぞれの部署の役割を計画にすることが大切です。
営業にはインサイドセールスとフィールドセールスの連携が必要となります。現在、フィールドセールスのみの営業をしているのであれば、インサイドセールスとどのように関わっていくのかを明確に決めておきましょう。それぞれの役割分担と連携方法を決めておく事がスムーズに連携させるポイントとなります。
2.スタート時の設計は社外のコンサルタントを頼るのも手
インサイドセールス経験のない企業の場合であれば、社外のコンサルタントに内製化体制を設計してもらうことも効率的に導入を進める手段のひとつです。
経験者やノウハウが皆無な状態でスタートしても、うまく稼働するまでにはかなりの時間が必要となります。コンサルタントのアドバイスがあれば短期間のうちに効果を上げることも可能になるでしょう。
3.アウトバウンドコールを内製化
顧客から企業に向けて電話をかける「インバウンドコール」に対して、企業側から顧客に向けて営業電話をかけることを「アウトバウンドコール」と言います。
インバウンドコールは自社で対応しているが、アウトバウンドコールは外注しているという例は多く聞かれます。しかし、自社でアウトバウンドコールも行えるようになると、アウトバウンドコールで得られる情報や知識も大きなものとなりますし、インバウンドコールと連携する事でより効率的な業務を行うことができます。
4.コールはトークスクリプトと録音、録画機能を利用し効率的にスキルアップ
インサイドセールスを導入する際には、録音録画ができる機能がついたシステムを選びましょう。実際の顧客とのやり取りを定期的にフィードバックすることで技術向上につながります。
まずは「トークスクリプト」と呼ばれるテンプレートを元にして、架電のロールプレイングを繰り返し行うことも大切です。やり取りは相手によって様々なケースが考えられます。あらゆるケースを想定しながらロールプレイングを行うことで臨機応変に対応できるスキルを身に着けることができるでしょう。
また、定期的にフィードバックを行うこともスキル向上には欠かせません。部署で情報を共有することがノウハウの構築につながります。
内製化か外注かで迷ったら確認したい3つのポイント
営業手法としてインサイドセールスを導入する際に「内製化」するか「外注」にするかは、迷う場合が多くみられます。コスト面や人材育成、さらには初期投資の手間などを考えると、どちらが正解なのでしょう。
自社にとってどちらの方が効果的なのかを、3つのポイントで考えてみませんか。自社の望む業務スタイルや問題点と照らし合わせて検討してみましょう。
1.コストパフォーマンスの良さから考える
外注の場合はコストがかかるイメージがありますが、内製の場合でも設備や人件費は必要ですので「大幅なコスト削減」とはならない可能性があります。
しかし、外注の場合は社内での手間はかかりませんが、内製にした場合には情報収集や人材育成に効果的な面もあります。これは企業の営業スタイルによって効率的なパターンが異なってきます。
2.効率重視か、効果重視かで考える
営業は顧客をできるだけ待たせないための「効率化」も必要になる場合があります。
例えば自社での確認が必要な内容の質問を頂いたような場合、外注先では完結できないので効率化という面では期待できません。そういったケースが多く見込まれる場合は内製化のほうが効率は上がるでしょう。
ですが、専門性の高い外注先に対応をお願いした場合、機敏性は下がるかもしれませんがより効果的な対応をしてもらえる可能性が高まります。
取り扱う商材によって「効率」を重視するか、「効果」を期待するかで選択する必要が出てきます。
3.社内にノウハウを蓄積させる必要があるか?
自社商材に特化した知識を活用した効果的なアプローチ方法などは社内に蓄積していったほうが将来的にも有利になるでしょう。
ですが、例えばWebコンテンツなどを使ったアプローチにおいて、SEO対策やより効果的なランディングページを用意したいような場合は自社の社員を育成するよりも専門知識の豊富な外注先に委託したほうが良いかもしれません。
内製化のメリットとデメリット
インサイドセールスの導入によって「内製化」と「外注」どちらの方がメリットが大きくなるかは、それぞれの企業の業務スタイルなども関係してきます。
内製化の「メリット」と「デメリット」を比べながら自社に合った方法を考えてみましょう。
内製化のメリットとは
内製化は「ノウハウの蓄積」と「人材育成」が大きなメリットと言えます。自社独自のノウハウを築くことができれば、他社から大きくリードを取ることも可能です。また、全てを内部でできるようになれば、顧客対応もスピーディになるため、相手からの信頼を得ることもできます。
また、管理者が同じ社内にいるため、何か問題が起きた時の対応やルールの改善などが臨機応変に行えるためPDCAサイクルをスピーディーに回すことも可能です。
内製化のデメリットとは
インサイドセールス全体の問題として常時挙げられているのは「人手不足」です。なり手が少ないが故に、人材を育てられる経験者も不足しているのです。
更に新規の設備投資や一から行わなければならない人材育成、ノウハウの構築などスタート時に課題がたくさんあるため、滑り出しから軌道に乗せるのが難しいという面があります。
まとめ
インサイドセールスを導入する場合、「内製化が良い」「外注が良い」と言う明確な答えはありません。事業の規模や、これからも継続的に行っていくのか等の、それぞれの企業の事情によりどちらの方が適しているのかは異なります。
自社の問題点をスムーズに解決できる方法を選び、今回ご紹介したポイントを参考にしてください。