【最終更新日:2021年1月9日】
今までの営業は、顧客のもとを訪問するフィールドセールスが主流でした。
しかし現代では、営業人員の不足や業務効率化の提唱、テレワークの普及など、働き方を見直すきっかけとなる事象が増えてきており、それに合わせて営業の仕方も見直す必要が出てきています。
そこで注目を集めているのが、インターネット経由で商談を行う「オンライン商談」という営業手法。
本記事では、オンライン商談を導入するにあたっての「メリット」「注意点」「定着のコツ」という3つのポイントを解説します。
目次
オンライン商談とは
オンライン商談とは、インターネットを経由してオンライン上で商談を行う営業手法です。
対面する訪問営業とは異なり、パソコンやスマホなどのデバイスがあればすぐにオンライン上で商談を始めることができるため、リソースをかけずに効率的に商談を行うことができます。
オンライン商談ツールの選び方
オンライン商談ではITツールを活用することで、お互いの顔を見ながら話したり資料やデスクトップ画面を共有したりして商談を進められます。
大半のツールではそれらの機能が標準搭載されており、ツールによってトークスクリプトや録画などの機能も利用することができます。
さまざまなサービスが提供されていますが、料金体系や同時接続数が異なるので自社のリソースに最適なツールを選ぶことがポイントです。
また、映像がフリーズしてしまったり不鮮明だったりするとストレスになってしまうため、品質も重要視してくださいね。
オンライン商談ツールの導入方法
ほとんどのオンライン商談ツールは、クラウド上で商談ルームを作ってやり取りをするため、インターネットに接続できるデバイスを用意するだけですぐに始めることができます。
ただし、今まで対面営業ばかりしていた組織ではすぐにオンライン商談を導入しても定着しにくいため、まずは土台となる戦略やツールのオンボーディングなども必要になるでしょう。
ポイント①:オンライン商談導入メリット
オンライン商談導入を検討するポイントとして、まずはオンライン商談ならではのメリットを理解しましょう。
営業担当者一人当たりの商談件数増加
オンライン商談を活用することで顧客へ訪問する必要がなくなるため、移動時間を削減することができます。
例えば、顧客間の移動時間がそれぞれ1時間かかり商談時間が1時間かかると仮定すると、業務時間内で商談できる件数は4件ほどとなるでしょう。もちろん商談以外の業務もあるので、実際は1日3件ほどの訪問が限界かもしれません。
しかしオンライン商談では、移動時間がなくなったぶんだけ商談件数を増やすことができます。
純粋に商談件数を増やすだけでなく、営業の人手不足で営業人員が少ない場合でも多くの商談件数をこなすことができるようになるでしょう。
また、移動時間がなくなることで商談だけでなく他の業務にかける時間も増えるため、提案のブラッシュアップや提案書の作成などに時間をかけることができるのです。
距離の壁を超える(日本中が営業範囲に)
支社がない企業では、移動可能な範囲が限定されてしまうため、アプローチできるエリアが限られてしまいます。
遠方で新規開拓をしたくても、出張費や宿泊費などがかかるため諦めていたという企業も多いのではないでしょうか。
ところが、オンライン商談ではインターネットにつながる環境さえあれば商談ができるため、移動工数やコストを気にすることなく遠方の顧客とも商談が可能。
今までアプローチができなかった地方の企業とも商談ができるようになって営業の範囲が広がります。
新人営業教育の効率化
新人営業担当者を早く現場で活躍できる人材に教育するためには、ベテラン営業や受注率の高い営業担当者などの商談現場に同行させることが効果的。
新人営業の人数が多かったり上司との都合が合わなかったりすると同行研修が難しいですが、オンライン商談ツールの録画機能を活用することでリアルな商談現場を見て学ぶことができます。
また、新人営業のオンライン商談の様子を録画しておくと、マネージャーがそれを確認して指摘やアドバイスをしたりすることもできるため、教育が効率化するでしょう。
ポイント②:オンライン商談導入の注意点
メリットがある一方で、オンライン商談には注意点もあります。
“直接会わない”という特性のオンライン商談では、よりきめ細かいポイントに注意しなければ相手の信頼を失ってしまいます。
通信は安定しているか?
相手と直接対面しないため、映像や音声の品質はこだわりたいポイント。
音声や映像が途切れたり粗かったりすると、スムーズに商談を進めることができなくなってしまいます。
そのため、通信が安定していて品質が高いツールを選ぶようにしてください。
商談相手に手間はかからないか?
手軽さがメリットのオンライン商談ですが、ツールによってはアカウント作成が必要だったりOSやデバイスが限定されたりしているケースもあります。
商談相手に負担をかけないよう、商談ルームのURLをクリックするだけで商談を始めることができるような、手間のかからないツールを選びましょう。
初めてオンライン商談ツールを使うという顧客の場合は抵抗感もあるので、きちんと説明して不安を払しょくしてあげることも大事です。
ポイント③:オンライン商談を営業現場に定着させるコツ
オンライン商談はメリットがあるのですぐに導入したいと思うかもしれませんが、営業現場に定着しなければ失敗に終わってしまいます。
営業現場にとって取り入れやすい仕組みを構築して、現場に定着させるように工夫しましょう。
既存の営業オペレーションに組み込む
新しいことを始めるときは、現場が慣れるまで徐々に進めていくことがポイントです。
まずは既存の営業オペレーションにオンライン商談のプロセスを組み込むことで、現場の理解を得ていきましょう。
例えば「初回のヒアリングはオンライン商談ツールで行う」「往復の移動時間が2時間以上かかる場合はオンライン商談にする」などのルール作りをして、営業現場の負担が少なくなるような営業オペレーションを構築することにより、徐々にオンライン商談の利便性や必要性を理解してもらえるはずです。
オンライン商談スペースを社内に作る
他の社員が大勢いるオフィスでは、なかなか商談モードに入れずに集中できないという営業担当者も多くいます。
そこで、オンライン商談用のスペースを作ることがおすすめです。
スペースに余裕があるならオンライン商談用の個室ブースを作ったり、空いている会議室をオンライン商談専用部屋としたりすることで、営業担当者も商談に集中することができて積極的に運用していってくれるでしょう。
商談を録画・録音してチームで共有する
オンライン商談ツールでは録画や録音の機能が搭載されているものもあるため、商談内容を録画・録音して営業チーム内で共有しあいスキルアップを図ることもできます。
他の営業メンバーの商談の様子を見ることができるのは貴重なので、営業トークや提案の仕方など参考になる点も多いでしょう。
ノウハウやナレッジを共有して営業力を高めていくことで、営業現場もオンライン商談の価値を理解していくはずです。
まとめ
現代にマッチした営業手法として注目されているオンライン商談。
利便性や手軽さなどのメリットがある一方で、ツール選択や仕組み作りに注意しなければいけません。
ポイントを押さえてオンライン商談を自社の営業活動に取り入れ、組織の活性化や生産性の向上を図りましょう。