【最終更新日:2020年12月18日】
by 遠藤 修(株式会社ジェイック トップセールスクリエイター)
私がお客様からご相談を受ける内容で最も多いのが、「オンライン商談でなかなか成約につながらない」といったものです。
そして、こういったお悩みを抱えている企業から沢山ご相談を受けているうちに、ある共通点があることに気が付きました。
それはオンライン商談をリアル商談の延長線上で行っていることです。
オンライン商談とリアル商談の違いについてはこちらの記事で詳しくご紹介していますが、モニター越しのオンラインとFace to Faceのリアル商談は全くの別物で、リアルと同じような進め方ではオンラインでは上手くいきません。
そこで今回は、成約率の上がるオンライン商談の進め方をご紹介します。
準備編
以前にご紹介した内容に加えて、さらに商談相手の情報を事前に詳しく調べるようにしましょう。
これはリアル商談でも共通して言えることですが、今の時代は企業の公式サイト以外にも、特に経営者であればSNSやブログ等で数多くの情報を発信しています。
担当者レベルでもいろいろな業務の内容を情報発信しているかもしれませんので、事前に確認しておくようにしましょう。
ニーズの仮説を立てる
事前に調べた情報を元に、商談相手のお困りごとや課題を想定し、ニーズの仮説を立てておきましょう。
オンライン商談前にメール等のやりとりでいくつか質問を投げかけ、事前に相手に答えてもらっていればより具体的な仮説を立てることができます。
この準備に時間をかけることで、オンライン商談を効率的に進めることができるようになります。
商談編
モニター越しのオンライン商談では、一回の時間を30分で設定しましょう。
30分間で終わらせる為には、あらかじめ時間配分を設定しておくことが大切です。
商談の時間配分
例えば遠藤流営業では、このように時間配分しています。
・アイスブレイク→3分
・場設定→2分
・ヒアリング→10分
・プレゼンテーション→10分
・クロージング→5分
ヒアリングの時間とプレゼンの時間を同等に設定していますが、オンライン商談では営業マンが喋り倒すのではなく、お客様に喋らせることが大切になります。
おそらくあなたも経験があると思いますが、モニター越しに相手の話を聞き続けるのは予想以上に疲れます。
そして、集中力が続きません。
さらにオンライン商談では1対1ではなく、複数対複数で行われることも多いでしょう。
モニター越しに自分の顔も含め沢山の顔が並んでいる状況では、モニターを見続けるだけでも一苦労です。
そのような状況では、相手の集中力を切らさないためにも、相手に喋らせることが大切になるのです。
事前に準備しておいたニーズの仮説を質問として投げかけ、沢山の情報をお客様に喋ってもらいましょう。
商談のポイント
テンションは普段の1.5倍で
2次元のオンライン商談では、リアル商談のようにお互いの雰囲気が伝わりません。さらに相手側のデバイスの設定で音量が小さくなっているかもしれません。モニター越しに映るあなたが、例えば画面が暗かったり音量が小さいと、それだけでネガティブな印象を持たれてしまいます。モニター越しでは本来のあなたの印象は伝わらないと理解したうえで、オンライン商談では普段よりも1.5倍高いテンションで、明るく元気にハキハキと臨みましょう。よくお笑い芸人やタレントでも、テレビとは違ってプライベートは暗い・声が小さいという話を聞きますが、あなたもオンライン商談(モニターの中)では演者になりきることが大切です。
プレゼン資料はシンプルに
モニター越しに資料を共有するオンライン商談では、資料もオンライン専用に作ることが大切です。文字ばかりではなく、ぱっと見て相手に伝わるようにイラストやイメージ図を用いて、一文一意味(ひとつの文章にひとつの意味)を心がけるようにしましょう。オンライン商談では、リアル商談以上に「分かりやすさ」が求められます。あなたがオンライン商談で使っている資料は普段のものをそのまま流用していないか、一文一意味でシンプルに伝わるようになっているか、ぜひ見直してみてください。
次のアクションを必ず決める
その商談で結論を迫るのか、それとも次回の商談でより具体的な提案をするのか、商談のゴールを明確にしておきましょう。例えばその商談で意思決定いただけない場合は、いつまでに意思決定いただけるのか、もしくは追加で商談の機会が必要なのか、はっきりと次のアクションを決めましょう。次回の商談でより詳しい提案をする場合は、初回商談後の御礼メールで次回のアクションを記載し、お客様と共通認識を持つようにしてください。また、メールに初回のプレゼンで使った資料を添付したり、リマインドとして商談内容を記載してもよいでしょう。
商談後の注意点
オンライン商談で最も気をつけておかなければいけないポイントは、商談相手の熱意はリアル商談と比較して3倍速で下がっていってしまうということです。
仮にオンライン上でどれだけ盛り上がったとしても、モニターを切った瞬間から冷静になり、直前までの熱が一気に下がっていきます。
ひょっとしたらオンライン商談が終わった瞬間に、あなたの同業他社の情報を調べているかもしれません。
それだけオンライン商談のクロージングは難易度が上がるのです。
前述のようにメールで資料を共有したり商談内容を記載したりして、温度の下がった相手がいつでも商談の内容を振り返ることができるようにしておきましょう。
商談が次回に持ち越しとなった場合は、相手の熱があるうちに、オンライン商談中に次回のアポイントを確定させてください。
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株式会社ジェイック
マーケティング開発部 トップセールスクリエイター
1971年生まれ、福島県喜多方市出身。営業経験31年。物流機器、包装梱包資材卸売業の支店長・市場開発部長を歴任。70年ある同社の歴史の中で、史上2番目の若さでの就任。その経験を活かし、現在は株式会社ジェイックにて営業研修講師、現役営業マンとして活躍中。営業歴31年の中で確立された「遠藤流営業」は大手企業をはじめ数多くの企業が導入しており、特に昨今は営業のオンライン化に伴う「オンライン商談」で成約率を上げる為のノウハウが注目されている。