【最終更新日:2022年1月9日】
By 増山 順一(Online Sales Lab.代表)
オンライン商談やオンライン営業という言葉が一般的になって約1年。
そのノウハウを公開している私たちの元にも沢山の企業から相談が寄せられるようになり、ヒアリングを進めるうちに沢山の失敗事例も伺ってきました。
そして企業規模や業種を問わず、オンライン商談での失敗事例として以下のようなものが共通していることが分かりました。
もしあなたがこれからオンライン商談を導入しようと思っているのであれば、きっとこのような失敗をすると思いますので(笑)、この記事を参考に対応策をまとめておいてください。
目次
失敗事例①:相手が顔出ししてくれない
今でこそZoom等のシステムでは背景を合成する仕組みが一般的になっていますが、世に「オンライン商談」という言葉が広がり始めた当時はまだ背景はそのまま映ってしまっていたので、例えば自宅からアクセスしている人は「自分の部屋を映したくない」といった理由で顔出しをしてくれませんでした。
ひょっとしたら相手はパジャマだったかもしれませんね(笑)。
そして残念ながら、相手が顔出ししてくれない商談は驚くほど次に進まない!
そもそも顔出しNGの場合は相手のやる気が低いので、「とりあえず話だけ」とか「情報取り」の場合がほとんどです。
実際に私達の実績として、相手が顔出しNGの場合の商談成約率はゼロ。。
全て失敗しています。
対策方法
これは事前に相手へ必ず顔出しで商談を行う旨の確認を取っておきましょう。
当社の場合は、相手が顔出しNGの場合はオンライン商談は行わないというルールにしており、見込み客にも事前に伝えています。
お互いに顔が見えないのであれば電話で十分ですからね。
事前に必ず「カメラをONにしてください」と伝えるだけで、この問題は解決できます。
それでも、どうしても顔見せが嫌だと言われたら?
当社のように「顔見せ」をオンライン商談の参加条件にするのか、それとも相手が顔出ししなくても商談を行うのか、社内で統一ルールを定めておくとよいでしょう。
失敗事例②:商談が盛り上がらず気まずいまま終わる
空気感の共有ができないオンライン商談では、相手との距離感を縮めることが本当に難しいですよね。
モニター越しの商談では基本的に相手のテンションは低いし、いまいち表情も読み取りにくい。
そんなこんなで探り探り商談を進めているうちに、あっという間に30分が経ってしまったということを数多くの方が経験されています。
これも、あなたがいくつかのポイントをおさえておくことで事前に回避することができます。
対策方法
オンライン商談ではあなたが一方的にしゃべるのではなく、必ず相手にもしゃべってもらうようにしましょう。
その為にはもちろん、こちらからいくつか質問を投げかけることになります。
その際に気を付けたいのが、実際の対面営業の時のような世間話的な質問をするのではなく(空気感の共有ができない為)、ビジネスに関する質問を積極的にしていきましょう。
例えば見込み客に想定される課題や理想の未来の確認など、事前に見込み客のことをしっかりと調べたうえで核心を突くような質問ができればベストです。
あなたの質問内容・質問レベルによって相手はあなたがどの程度なのかを判断しています。
どの営業マンでもしているようなありきたりな質問ではありきたりな答えしか返ってきませんし、相手との距離感も縮まりません。
「よくこの業界のことを知っているな」「よくウチの会社のことを調べてきたな」と見込み客が関心するレベルの質問を投げかければ、相手は身を乗り出して自社のことを話してくれるでしょう。
そして、あなたが聞き役に回ることができれば、その商談は高確率で次のステップに進むことができますし、相手も喜んで次回の日程調整をしてくれることでしょう。
失敗事例③:通信環境が悪く商談のテンションが下がる
これも本当によくある失敗ですね。
こちらの声が相手に聞こえない、その逆で相手の声が聞こえない、用意した資料が画面上で共有できない、etc・・・。
きっと誰もがこんな失敗をしていると思います。
対策方法
これも事前に相手方に通信環境の確認をすることで避けることができるトラブルです。
できればオンライン商談前日までに、電話でアポイントの確認と同時に通信状況の確認もしておきたいですね。
当日はどこからアクセスしてくるのか?
勤務先なのか自宅なのか、出先からなのか?
その際の通信状況は問題ないのかどうかを、無理のない範囲で確認するようにしましょう。
失敗事例④:資料が見づらくて要点が伝わらない
これもオンラインならではの失敗です。
これまで対面営業で使っていた資料をそのままオンラインで使ったところ、共有表示された資料ではサイズが小さく詳細まで読み取れない。
「文字が小さすぎて見えない」「全体的にごちゃごちゃしていて見る気になれない」
ひょっとしたら相手は口に出さないまでも、心の中でこう思っているかもしれませんよ。
対策方法
この対策方法も明確ですね。
資料はオンライン用に作り直しましょう!
文字のサイズは大きく、文字量は少なく。
ぱっと見て分かるように図形などのビジュアルを多用して、1スライド1メッセージを心がけてみてください。
オンライン商談では、文章ばかりのものは資料として役に立ちません。
そういった資料はワードで作成して事前に相手に送るか、商談後に相手に送るようにしましょう。(オンライン商談中は相手もじっくり文字を読み込む余裕がありません)
失敗事例⑤:商談後に相手の温度が急激に下がってしまう
これは通常営業でもたまにあることだと思いますが、商談の時はあんなに乗り気だったのに、数日後に連絡するとあの時の商談がウソだったかのようにテンションが低い・・・。
私自身の経験からも、特にオンライン商談ではこのケースが多いように思います。
やはり直接面と向かって話を進めるのと、モニター越しの商談とでは天と地ほどの差がありますよね。。
対策方法
これはまず、「オンラインとはそういうものだ」と理解しましょう。
あまり受け入れたくないですが、オンライン商談は終了後に相手のテンションは驚くほど速いスピードで下がってしまう!
この前提で商談を進めていきましょう。
ひょっとしたら相手はあなたとの商談が終わった後、そのままネットで競合他社のことを調べているかもしれません。
翌日にはもう、あなたとの商談内容を覚えていないかもしれません。
こういった前提を元に、商談後には相手に忘れられないように商談時の資料をメールで送るとか、商談の内容をリマインドとして箇条書きで送るとか、小まめに相手に役立つ情報を送るといったように、頻繁にコミュニケーションを取るようにしましょう。
一度のオンライン商談では忘れられてしまう!
これくらいに思っておいて損はありません。
まとめ
以上、2021年最新版として失敗事例を5つ記載いたしました。
あなたはこの5つのうち、いくつご経験されているでしょうか?
これからオンライン商談を導入しようとご検討中の方は、ぜひ上記内容をご参考になさっていただければ幸いです。
どの失敗事例も、しっかりと事前に準備しておけば回避できるものばかりですので、やはり営業は準備が大切ですね。