既存営業って何?既存営業と新規営業の違いなどを徹底解説

営業職には大きくわけて「既存営業」と「新規営業」があります。聞いたことがある方も多いと思いますが、あらためて違いについて問われるとはっきりと答えられない部分もあるのではないでしょうか。

「既存営業」も「新規営業」も同じ営業職ですが、必要なスキルが異なったり、事業拡大への貢献の意味合いが異なったりします。今回は「既存営業」について詳しくご紹介します。

既存営業とは?

既存営業の「既存」とは、「お客さまがすでに存在する」ということです。継続的な取引があるお客さまの業務を中心に営業活動をする営業マンは「既存営業メインの営業マン」ということになります。

消耗品の発注が常にある、季節ごとの発注がある、数年単位で差し替える必要があるなど、商材やサービスによって頻度はさまざまですが、常にお客さまの状態を確認し、過不足なくフォローしていく業務が中心となるでしょう。

既存営業と新規営業の違い

「既存営業」と「新規営業」には具体的にどのような違いがあるのでしょうか。また、違いがあるとすれば、業務上の負担が大きいのはどちらなのかも気になりますね。新規営業の概要についてもみていきます。

新規営業とは?

「新規営業」とはまだ見ぬお客さまを開拓していく活動が中心になります。BtoCの新規営業なら、一般消費者から見込み客を掘り起こすような営業活動がメインとなるでしょう。ティッシュ配りやチラシ配りが営業マンの仕事だという企業もあります。

BtoBならマーケティング部隊が作成したリストに基づいて、テレアポやメール営業、飛び込み営業が行われます。また、広告や企業のホームページを見て問い合わせてくれた見込み客への応対も、新規営業メインの営業マンの担当となるでしょう。

既存営業と新規営業の違いについて

既存営業は担当したお客さまとの関係を拡充していくことが主な業務です。お客さま企業それぞれに適した商材を提供し、要望にできるだけ応え、今後の関係性をより強固なものにしていくため信頼を得続けなくてはいけません。

新規営業はより多くのお客さまを獲得していくことが主な業務です。テレアポやメール営業なら、ほぼ1日中電話やパソコンと向き合って、数百件という単位のお客さまに営業をかけていきます。飛び込み営業では、1日100件以上訪問することも珍しくありません。

断られることが当たり前という部分もあり、思考を次々に切り替えていく必要があります。

既存偉業と新規営業はどっちが簡単?

既存営業の良いところは、固定のお客さまへ親身になって対応していけば、顧客の利益が自社の利益となり、ともに成長していけるところでしょう。

デメリットとしては、長い付き合いとなる顧客も多いので、前任者と比べられてやりづらく感じたり、御用聞きのようになってしまうと、仕事がマンネリ化してしまったりということがあります。

新規営業の良いところは、営業活動の結果が数字として表れるので、成約率を誇りに思ったり、売上達成時にやりがいを感じたりできるところです。

デメリットとしては、「断られるのが当たり前」という状況で自分が否定されたように感じやすい点や、ノルマをプレッシャーに感じて、伸び悩んでしまうことがある点が上げられます。

いずれも営業マン本人の資質によって、より強い喜びを感じたり、非常につらく感じたりすることがあるので、一概にどちらが簡単だとはいいにくいものです。

既存営業の重要性

既存営業は「お得意さまの御用聞き」「接待ありき」と誤解されることの多い営業スタイルです。顧客をどんどん増やして、会社から表彰されることもある「新規営業」に比べると地味だと感じられるかもしれません。

しかし、企業の基礎体力を強くするのに、お客さまとの安定した長い付き合いに勝るものはありません。既存営業の重要性について解説します。

LTVを最大化する

LTVとはLifetime Valueという経済用語で、顧客生涯価値とも呼ばれます。ある顧客が自社にもたらす価値の合計のことで、顧客の継続年数や平均購入回数などに注目して算出します。新規営業には、既存営業以上の時間とコストがかかるので、既存顧客のLTVを最大化していくことが、売上向上の近道となるでしょう。

LTVを最大化する手法にはアップセル・クロスセル戦略、解約リスクを下げるためのカスタマーサクセスなどがあります。

営業成果が売上成果に直結しやすい

既存営業はすでにお付き合いのあるお客さまへの営業活動がメインなので、ある程度の受注が予測でき、売上が達成できないことに対する営業マンのストレスや作業ロスは軽減されます。

アップセル・クロスセル提案も、顧客への理解がしっかりなされた上での提案であれば受け入れられやすいので、準備時間に見合った売上成果が得られるでしょう。

売上目標を管理しやすい

新規営業は「やってみないとわからない」という不透明さがありますが、既存営業なら顧客の要望や事業規模などから売上目標を立てやすく、実際の成果と大きく差が出ることも少ないでしょう。決算予測の修正は企業の信頼性にも影響を与えるため、売上目標を管理しやすいという点は重要です。

既存営業に必要なスキル

営業職に向いている資質といえば、コミュニケーション力や断られ続けても諦めない強い精神力などが上げられますが、「既存営業」に特化したスキルは少し違います。継続的な受注のためには、本当にお客さまの役に立てることは何なのか、親身になって考えることで信頼関係を構築することが大切なのです。

ヒアリング力

「いつもの商材をいつものように」という発注は信頼の証ともいえますが、単純な御用聞きになってしまっては、競合他社につけいる隙を与えてしまいます。

顧客の小さな変化も見逃さず「何か困っていることはありませんか?」「今後の展開の予定は?」など、ヒアリング力を発揮すると、「困ったときは彼に相談しよう」と指名されるような営業マンになれます。

提案力

顧客から信頼を得て課題や要望を受けたときに、自社の商材やサービスで解決できることを提示するのが「提案力」です。顧客に合わせたカスタマイズやクラスアップなど、最適な解決法をプレゼンすることで、アップセル・クロスセルにもつながります。

競合他社に劣るような点があれば正直に伝え、それを上回るメリットや長期契約による価格差などをみせられれば、営業マンへの信頼はますます強いものになるでしょう。

顧客管理能力

既存営業といえども複数の担当を持ち、1日に何社も訪問することもあるでしょう。既存営業はお客さまの都合で予定が組まれることも多いため、ダブルブッキングや資料の取り違えなどの基本的なミスが起こりがちですが、信頼関係が揺らぐような事態は極力避けたいものです。

また、案件が進行していない時期にもフォローするような気づかいも大切です。顧客それぞれへの活動記録をきちんと管理し、適切な時期に間違いのない行動をとれるよう、スケジュール管理を徹底しましょう。

既存営業で深い関係を築くために必要なこと

既存営業は顧客側の担当者と深い関係を築き、長期間にわたって安定的な売上をもたらすことが重要なミッションです。担当者からの信頼を得るために必要なことをおさらいしておきましょう。

ビジネスマナーを徹底する

清潔感のある服装、きびきびとした立ち居振る舞い、丁寧な言葉遣いなど、社会人としてのマナーを徹底しましょう。基本的なことですが、既存営業では「顔なじみ」になるほどに、気がゆるんでしまう恐れがあるのです。

親し気な振る舞いとなれなれしい態度は違うことを胸に刻んで、節度を持った行動を心掛けましょう。

どんな状況でも会話できる臨機応変な雑談力を持つ

「雑談力」は営業マンにとって大切なスキルです。特に既存営業では、毎回仕事の話に終始する人と、さまざまな話題で場を和ませる人とでは、関係構築に大きな差が出ます。お客さま企業や担当者のことを研究し、業界動向から身の回りのことまで話題の引き出しを準備しておきましょう。

営業で回るルートを固定する

既存営業は固定のお客さまを回ることから「ルート営業」とも呼ばれます。このルートを大切に、同じ時間帯・同じ曜日・月頭など同じ時期に訪問できるようスケジュールを調整しましょう。

ちょっとしたことですが、この繰り返しが「いつも来てくれる」「彼が来たから〇曜日か」と担当者の日常に入り込み、信頼感や安心感を作りだすポイントです。

まとめ

既存営業の役割と必要なスキルをご紹介しました。新規営業の評価軸が「数」ならば、既存営業の評価軸は「思い」の強さともいえます。

「お客さまの役に立ちたい」という思いでお客さま企業の課題を解決し、感謝と信頼を得ることのできる既存営業は大変やりがいのある仕事です。誇りを持って営業スキルを磨いていきましょう。

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