【最終更新日:2022年1月3日】
近年、ビジネスの世界では「ペーパーレス」の流れが急激に進みつつあります。契約書、請求書などの書類だけでなく「名刺」も今やペーパーレスになりつつあるのです。
またリモートワークの増加により、これまで商談時は当たり前に行われてきた「名刺交換」ができなくなっているのが現状です。そこで利用されているのが「名刺交換アプリ」です。
紙の名刺との違いはどこなのか、注意すべき点はあるのかなどを、分かりやすくご紹介します。改めて「名刺の価値」に気がつくことになるかもしれません。
紙の名刺交換のデメリット
一般的に使用されてきた「紙の名刺」ですが、オンライン名刺に比べると、どのようなデメリットが考えられるでしょうか。
当たり前に使用していたものでも、振り返ってみると思い当たる不便なとこも幾つか考えられます。
かさばる・邪魔になる
名刺は薄くて小さなサイズですが、これを何枚も常備しておくとなると、かさばり、邪魔になることがあります。
また、自分の分だけでなく相手から貰った名刺を、ついそのまま名刺入れに溜めてしまいがちになり、常にパンパンの状態という場合も多く見受けられます。
忘れる・紛失するリスクがある
商談に行った時などに、うっかり名刺を忘れてしまった経験がある方は多いのではないでしょうか。つい忘れてしまう以外にも、名刺ケースに入っていたつもりが切らしていたということも有りがちです。
また、相手から貰った名刺を、その都度ファイルなどに保管できれば問題ないのですが、時間に追われて、ついそのままの状態になりがちです。結果、紛失してしまうこともあるでしょう。
印刷にコストがかかる
名刺には印刷のコストがかかります。日々、数多くの名刺を交換している営業職などになると、さらにコストは増してしまいます。
コストがかかるからと言って、使用枚数を減らすなどの対策でコスト減と言うわけにもいきませんから、紙の名刺では経費削減も難しくなります。
アプリで名刺交換するメリット
スマートフォン上に表示されるQRコードなどを読み取ることで、ペーパーレスの名刺交換ができる名刺交換アプリ。
実際にアプリで名刺交換すると、どんなメリットがあるのでしょうか。上手に使いこなして、名刺を活用したいですね。
保管しやすい
交換した名刺はアプリで管理されるので「紙」がありません。データで保管されるので、わざわざ整理する手間を省くことができます。
そのまま住所などのデータがスマートフォンに反映されるので、すぐにデータを活用することも可能です。また、部署や役職が変更になった場合でも変更がしやすいので、最新のデータを保管できます。
検索しやすい
莫大な紙の名刺の中から、特定の名刺を探し出すことは、きれいにファイリングされていたとしても、時間と手間がかかります。
アプリであれば検索機能が充実しているので、必要になったらすぐデータを手元に表示することができます。名前だけでなく「どの交流会で会ったか」など、グループとしてまとめておくことも可能ですから、相手の名前が思い出せない場合でも簡単に検索できます。
マナーのこだわりが少ない
相手と対面して紙の名刺を交換する場合、「名刺入れを枕にして両手で持つ」「相手の名刺を右手で差し出し……」といったような、細かなマナーが必要となります。
アプリで名刺交換をする場合は、このようなマナーのこだわりは必要ありません。もちろん、アプリでも最低限のマナーは必要ですが、いわゆる「名刺交換の所作」をすることなく、スムーズに行うことが可能となります。
アプリの名刺交換の注意点
便利でスマートに使える名刺アプリですが、使用する際に注意しておくべき点も幾つかあります。
あらかじめ把握しておけば対策も立てやすくなります。全てを理解した上で快適に利用したいですね。
提携フォーマット以外の設定が難しい
一般的な名刺は「社名」「部署・役職」「氏名」「連絡先」などの項目が書かれていますが、最近では相手の印象に残りやすい個性的な内容の名刺も増えています。
使用しているアプリが異なる場合、フォーマット以外を設定したくても、できない場合もあります。
サービスの提携会社ごとにフォーマットが異なる
名刺アプリはサービスによってフォーマットが異なります。アプリで名刺交換をしても、適切な場所にデータが保管されるとは限りません。
シンプルな名刺であればリスクは減少しますが、内容が多いものである場合などは、読み込み後に念入りに確認する手間が必要になってきます。
デバイスの電源が切れると名刺交換できない
名刺アプリを使用する際に必要な「スマートフォン」などのデバイス。このデバイス自体の電源が切れてしまうと、当然アプリは使えません。
スマホは、名刺アプリ以外にも使用する頻度が多いものなので、「気が付けば残量が少ない」と言う状態が起こりやすいものです。そのため外出時でも充電できるモバイルバッテリーを常備しておくと安心です。
オンライン名刺関連サービス
名刺の管理をデータ化するサービスは、すでに数多く存在しています。その中でも、便利で使いやすいと評判のサービスをご紹介しますので自社のスタイルに合う名刺管理サービスを見つけてください。
管理するだけではない、便利な機能も満載です。
Sansan
「サンサン」はクラウド名刺管理に特化したサービスです。法人向けのサービスであり、名刺管理サービスの国内シェアは81%です。「早く言ってよー」と俳優さんが嘆いているCMが印象的です。
ただ名刺を一元化し管理しやすくなるだけではなく「企業の顧客管理や営業支援」に進化させるサービスを行っているので、名刺の価値を最大限に生かしたいと言う企業におすすめです。
Eight
Sansanが運営する「Eight」は仕事にも使える個人向け名刺管理アプリです。アプリで読み取った情報は「AI」と「オペレーターによる手入力」でデータ化されるので、間違った情報を保管してしまうリスクを最小限にすることができます。
このサービスでつながった相手であれば転勤や昇進があった時に近況が届く機能があり、即アクションを起こすこともできるので、ネットワークを風化させてしまうこともありません。「名刺管理のSNS」のような新しいスタイルです。
Zoom
テレワークの普及により利用者数が大きく増加した「Zoom」。Zoomを利用しながらの商談は一般的な手法となりつつあります。最近、オンライン商談の名刺交換のスタイルとして「バーチャル背景名刺」というサービスが注目されています。
自分自身が映っている画面上に「名刺のQRを常時表示しておく」サービスです。名刺交換が行われない場合、名前や所属などビジネス上の情報が共有されず、支障をきたすことも考えられます。全社員統一のフォーマットで企業のブランドイメージを統一することも可能です。
アプリ等で名刺管理する際の注意点
アプリ等で名刺管理をする場合に、注意しておくべき点があります。名刺は個人情報ですから、交換をしたら適切に管理しましょう。まずは「安全な名刺アプリ」を選ぶことが大切です。できるだけユーザー数の多いアプリを選ぶなどして、セキュリティ面でも信用できるアプリがおすすめです。
相手側にご迷惑をかけるような事があってはいけません。電子データ特有の「気を付けておく事」をご紹介します。
デバイスのセキュリティを強化する
使用しているデバイスのセキュリティが脆弱だと、いくら安全なアプリを使用していたとしても意味がありません。
スマホやPCなど共有して使用できるサービスも多いので、各デバイスはそれぞれ必ずパスワードでロックをかけるなどセキュリティを強化しておきましょう。
名刺のデータはバックアップをとっておく
無料のアプリなど、アカウント作成を必要としないサービスの場合、バックアップがとれていないことがあります。アカウントを作成するタイプの場合、大体がクラウド上にデータが保存されるようになります。
デバイスの変更や故障でデータを紛失することの無いよう「バックアップはされているのか」という点を意識しておきましょう。
守秘義務違反に注意
名刺をデータベース化し、その情報が入ったブラウザを紛失してしまうなど、意図せずに情報が外部に流失してしまった場合、「個人情報保護法違反」になります。
「紙情報として第三者に渡す場合」や「名刺入れを紛失した場合」などでは適用されないのですが、データベース化、リスト化したものが流出すると対象になるということを憶えておきましょう。
まとめ
名刺はただの「挨拶アイテム」ではなく、相手の情報が詰まった大変重要なデータなのです。名刺管理アプリは、この個人情報を大切に管理するだけでなく、次のビジネスに生かしていきましょう。
経営の効率化が進むビジネスの流れに乗り遅れることの無いように、アプリを積極的に取り入れてみませんか。